◆ペルシャの風は爽涼だった

 聞くと見るとでは大違い―。イランの旅12日間の率直な感想です。
 
 行く先々で出会った人々は明るく、親切に接してくれました。

 イスラム教シーア派、イラン・イラク戦争、革命、ホメイニ師、黒一色のチャドル…。ややもすると暗い国を連想しがちで、私もその1人でした。
 
 女性の場合は、観光客といえども現地の女性と同じようにスカーフで髪を隠し、長い上着でヒップラインを隠さなければならない、などといわれていましたので、厳しい制約の中での観光になるものと覚悟して出かけました。
 
 しかし、テヘランの空港に着いて、抱いていたイメージとずれがあることに気づきました。

 まず税関。「ジャパン?」と問われ「イエス」と答えると、「どうぞ」とフリーパスでした。
 「厳しい検査」を覚悟していた身には拍子抜けです。

 庶民の市場、バザールではお菓子屋さんがきれいに並べた菓子をつまんで試食させてくれたり、ナンというパンを焼く店ではその様子を気軽に写真撮影させてくれたり、どこを覗いてもニコニコ顔で接してくれました。

 驚いたのは若い女性たちの明るさです。女子大生などは観光客を見つけると、積極的に話しかけてきます。
 
 カメラを手にする女性も多く「撮影させてほしい」とまで言います。
 撮ったり、撮られたりの出会いが何度もありました。

 町を歩いていて「おしん、ジャパン」と声をかけられることも再三。
 また「日本で暮らしたことあります。懐かしい」と話しかけられることも2度、3度ならずありました。

 首都・テヘランに王国時代の宝物を展示した博物館があります。厳重なセキュリティでつとに有名な施設ですが、そこでも日本人はフリーパスでした。

 「親日的」を絵に描いたような応対に、信頼という2文字の偉大さを痛感させられました。

 都市では緑や花々が多いのにも驚きました。砂漠地帯を抱える赤茶色の乾燥地帯を想像していましたが、心和む風景がいたるところに存在していたのは感動ものでした。

 そのようなサプライズ光景に目をきょろきょろさせ、12日間の旅はあっという間に終わりました。

 その間、私の心にはいつも爽やかな風がそよいでおりました。
 「行ってみなければわからない」。旅のすばらしさを再認識できた12日間でもありました。

 いずれ、旅行記をまとめるつもりです。イランの現状の一端でも紹介できればと思っています。