◆日記が語る2000年

 多事多難の2000年が満身傷だらけの歩みに幕を下ろそうとしています。
 
 だれもが感じていた重苦しい閉塞感。
 新世紀のスタートに「何とか明るさを取り戻したい」との思いを抱いて除夜の鐘を聞く人が多いのではないでしょうか。

 書店の話によると、今年は日記帳の売れ行きが例年よりもよかったそうです。
 
 新世紀を機に「一念発起して」と手にした人が増えたからでしょうか。
 1ページにはどんなことが書き込まれるのでしょうか。

 私の日記は20年あまり続いています。1日に250字から400字ほどを手書きしています。
 特別な日記帳は使っていません。リフィルの用紙に綴っていますが、一つだけこだわりがあります。それは万年筆で書くことです。
 
 その日記を年の瀬に読み返してみるのを習慣にしています。
 今年は日を追うごとに暗いニュースのオンパレードでした。
 
 少年の凶悪犯罪がこれでもか、これでもかと登場しました。医療ミスも続発、警察官、教職員の不祥事も耐えませんでした。

 雪印乳業のあきれた企業精神、大手デパート「そごう」の倒産、損保の連鎖のような相次ぐ破綻。

 小渕恵三首相の突然の死去、森総理の密室誕生。おまけのような失言騒動が、国民の心を一層暗くしてしまいました。

 暗い話は、拾い上げたら枚挙にいとまがありません。

 一方でシドニー五輪での日本選手の大活躍など明るい話しもいくつかはありました。しかし、分厚く覆ってしまった閉塞感に風穴を明けるほどのボリュームはありませんでした。

 私の日記は世相ばかりをとどめているわけではありません。
 前半を私事にあて、後半を世相、という具合に書き分けています。
 
 当初は備忘録用のメモのつもりでした。
 現役の頃は殺伐とした仕事のこと、職場のことで埋まっています。
 
 引退の後は身辺の内容も穏やかになってきました。
 読み返してみると、その時々の様子がまるで津波のようによみがえってきます。

 私の日記は「備忘録用」から「文字を忘れないための訓練用」に、さらに最近は「ぼけ防止用」へと変身してきたように思います。

 2000年は過去にない暗い世相でした。来年はなにがなんでも進路を「明」へと変えなければ「日本丸沈没」は現実のものとなるかもしれません。

 今年の日記はそのことを暗示しているように思われます。

 日記の効用に関しては、機会を改めて書くことにします。