◆高齢者とパソコン

 師走。パソコンに向かって年賀状の作成に勤しんでいる人も多いのではないでしょうか。

 年賀はがきは、インクジェット用紙が増加発行されるほどの人気。この調子では午年の年賀状はパソコン制作が主流になりそうです。

 書店を覗いてみても年賀状作成の手引き書を集めたコーナーが人気です。
 新世紀を迎える昨年暮れは日記帳のコーナーに人だかりができていたものですが…。

 年賀状作成ブームには、どうやら「IT講習会」が大いに寄与しているようです。

 森総理時代に囃された「IT」推進事業とやらで、自治体が無料(テキスト代は別)の講習会を盛んに開催しています。

 受講者は年配者と女性が多いそうです。

 最近は様々な「はがきソフト」が出回っています。
 パソコンを起動させ、操作できる基礎的な知識さえあれば、誰もが簡単に年賀状を作成できる時代です。

 とはいっても、ソフトのひな形をそっくり拝借しただけではおもしろくありません。
 せっかくの手作りです。ぜひ一工夫を、と思います。

 年賀状の話しはさておき、パソコンの話しです。

 私がパソコンを触りだしてから十数年が経ちます。
 そのころパソコンは「ただの箱」といわれ、OSはもちろんのこと、ワープロソフト、画像ソフト、表計算ソフトなどすべて自分でインストールしなければなりませんでした。

 ですから、操作できるまでにはそれなりの苦労があり、トラブルも頻発しました。

 しかし、現在は自作は別にして、初心者が購入するパソコンには様々なソフトがプレインストールされていて、買ったその日から快適に使えるようになっています。

 それが高齢者にも受け入れられる大きな理由だろうと思います。 

 IT講習会では、パソコンの起動からメールのやり取りができる程度までは教えてくれるようです。

 私が加入しているシニア向けのグループにも「パソコン初心者です」という加入者が急増しています。

 ブロードバンドの普及で高速のインターネットが楽しめます。初心者でも何のためらいもなくWebの世界を渡り歩ける時代です。

 メールや掲示板を通じて交友も広がります。高齢者には最適の「遊び道具」であり「社会の目」でもあります。

 だからといって、良いことずくめではありません。落とし穴もあります。

 まず、厄介なのがウィルスです。

 メールのやり取りが多くなると、必ず舞い込んでくる「招かざる客」。私の周りにも被害者がたくさんいます。

 最近も「Aliz」というメールウィルスが大量に発生し、同一人物から15通も同じメールが届いたという話しも聞きました。

 また、知らないうちに自分が感染元になっていた、という体験談も耳にしました。

 立ちはだかるのはウィルスばかりではありません。

 心当たりのない請求書が舞い込んだり、甘い言葉を並べた金融商品の勧誘があったり、怪しげな出会いサイトのDMが届いたり…。至るところに罠が仕掛けられています。

 パソコンを使い込んでいくうちに、いままで上機嫌だった画面が突然うんともすんともいわなくなることがあります。

 初心者が「パソコン壊れた」と頭を真っ白にさせる瞬間です。

 先にも書いたように、最近のパソコンは至れり尽くせりの装備を調えています。つい「パソコンはこんな程度のもの」と思いがちですが、なかなかどうして奥深いものです。

 不測の事態は常に心得ておかなければなりません。

 そのためには、日ごろの学習はもちろんのこと、いざというときに頼りにできる熟達者と知り合いになっておくこと、が必要だろうと思います。

 偉そうに言う私自身、いまだに慌てふためくこと数知れずです。でも、パソコンのない生活は考えられません。

 どれだけの人がIT講習会でパソコンに親しんでいるのかはわかりませんが、立ちふさがる難関を一つ一つクリアして楽しい人生の友にしていってほしいものです。

 師走。パソコンに向かいながら、ふと思いついたことでした。