◆旅は粋な演出家

 「旅というのは、粋な計らいをしてくれるものだ」。最近、そんな体験をしました。

 大阪府下に住む女性から「ホームページを見ました」というメールが届きました。
 嬉しい便りでしたが、文中にはもっとびっくりすることが書かれていました。
 
 「あなたとはパキスタンのタフティー・バヒー(世界遺産の仏教遺跡)でお会いしたはずです」。

 彼女は私のHPを偶然に見つけたそうですが、パキスタン旅行記に添付していた訪問時から、そのように思ったようです。

 昨年9月にパキスタン北部の辺境地域を旅したとき、ときどき訪問地で一緒になる日本人グループがありました。

 その後の交信で、彼女がそのグループの一員であることがわかり、「それなら間違いなく会っていますね」と、お互いが確信しました。

 これを奇縁というのでしょうか。とにかくびっくりです。

 彼女のグループには、私の顔見知りの女性2人が一緒でした。桃源郷といわれるフンザのホテルでばったり再会して、奇遇に驚いたものです。

 2人は昨年5月に北スペインを旅行した際のツアー同行者でした。

 海外を旅行中に顔見知りに出会った体験が、このほかにも2度あります。

 最初はエジプトを旅行中にアスワンのホテルで男性2人とばったり。2人とはその前年、トルコを訪れたときのツアー同行者でした。

 男性は山形県と神奈川県の方です。異国での再会に驚き、感激したのは言うまでもありません。

 もう1度はローマでした。その女性とはエジプト旅行で知り合いました。

 和歌山県の方で、私の住む福井県とは遠隔の地です。日本国内でも偶然の再会は万に一つ、あるかなしかだろうと思います。

 不思議に思うのは再会後、お互いがより親密になるということです。

 旅行中は余所余所しかった間柄でも、異境の地で再会した後は、まるで知友の間柄でもあったような親密感を覚えます。

 その結果が、年賀状を交換したり、折に触れて近況を知らせ合ったりへと発展していきます。

 旅を通じて知り合ったメール友達も何人かいます。
 
 冒頭の女性のように、HPを通じて知り、メールで再会というのは、IT革命を叫ばれている今様の出会いというところでしょうか。

 これらの再会を旅の余録、と一言で片づけてしまうにはあまりにもっいたない気がします。

 旅の奥深さ。そう感じます。だからますます旅が面白くなってくるのです。

 4月上旬、イランへ出かけようと思います。シリア・ヨルダンの旅を通じてメール友達になった女性も一緒です。

 様々な出会いを叶えてくれる旅は粋な演出家です。
 
 今度はどのような出会いのシナリオが書かれ、どのように演出されるのでしょうか。楽しみなことです。