◆それぞれの1年

 かつての仕事仲間6人が琵琶湖のほとり、滋賀県長浜市で1年に1回の逢瀬を楽しみました。

 この集まりに関しては、昨年10月に「6人会のこと」のタイトルで書きましたので、会の趣旨や生い立ちは省略します。

 12月3日、岐阜県に近い醒ヶ井養鱒場で落ち合いました。

 「やあ、元気」。「ウン、元気そのもの」。1年間の挨拶はこれだけ。

 これで十分。余分な言葉は必要ありません。ひと言だけで、それぞれの胸に「今年も元気で再会できたな」との嬉しさが広がるのです。

 鱒づくしの昼食を摂り、逆さ伊吹山を映すという三島池などを見て長浜市内へ。

 今夜の宿はカモ料理が自慢の老舗旅館「千茂登」です。
 マガモの鍋を突きながら恒例のワイワイ、ガヤガヤが始まりました。

 何をしゃべっても許される。やや高尚な話し、やや品のない話し…。何でもありの会話が延々と続きます。

 心の置けない仲間同士。「善き(良き)友」を得た喜びが時間を忘れさせます。

 当然、それぞれの1年も話題になります。

 ミニコミ紙の編集をしているK君。念願の初孫に恵まれました。ヘビースモーカーでしたが、折り紙付きの愛煙家を返上していました。「孫が生まれることがわかって決心しんだ」。それが動機でした。

 陶芸と木彫りが趣味のU君。全員に最近作の香炉をプレゼントしてくれました。陶芸教室の世話役を仰せつかったそうで、「雑用が多く、作陶の時間がとれなくてね」。それでも作品には年ごとに風格が備わってきました。

 昨年、頭部の手術をしたS君。10月に新聞記者生活におさらばして悠々自適の生活に。現在は身辺整理をしながら充電中です。最近、長い間憧れていたオープンカーを手に入れました。いつまでも若者の心を失わない男です。

 大学の広報を担当しているY君。最近は教壇にも立つようになって、ますます充実した生活ぶり。広報紙の試し刷りを持参して、編集の有り様を紹介するなど、いまだに研究心が旺盛です。豊富な話題を弁舌爽やかに語り聞かせてくれました。

 油絵をたしなむM君。引退間近に覚えたゴルフがよほど気に入ったらしく、せっせと通い詰めている様子。「絵の方は怠けている。海外旅行とゴルフに時間をとられてね」と。「そのうち、またキャンバスに向かうよ」と言っていました。

 最後は当の本人。遊遊自適の生活に埋没しています。今年は3月にイラン、7月にチェコ・ハンガリー、9月に東トルコを旅しました。時には山登りも。元気なだけが取り柄の「発展のない生活」ですが、いまさら改められず、今後も続けることに。

 まったく別々の生活を送る6人ですが、年1回の全員集合は、お互いの健康を確かめ合う場でもあります。

 それぞれが、それぞれから元気を頂戴して1年後の再会を約束します。
 「それでは元気で」。「お互いに」。手にするバッグは交換し合ったお土産で膨らんでいました。 

 ありがたきかな友よ。「楽しかった」のひと言に尽きる長浜の逢瀬でした。