◆悲しいことですね

 米軍によるアフガニスタン攻撃が熾烈を極めています。空爆から地上戦へ。泥沼化への予兆を感じるのは私ばかりではないと思います。

 一方、戦闘の激化や難民の増加、一般市民の死傷報道などに伴って、反戦デモや抗議が高まっています。

 とくに、隣国のパキスタンでは国境近くのペシャワールなどで激しい反米、反戦デモが繰り広げられています。

 12日の金曜日は、イスラムの人々には特別な日です。日ごろは近くのモスクで礼拝する人も金曜日には大きなモスクに出かけます。

 人々は最も大切な礼拝を抗議のデモに切り替えたそうです。

 テレビのニュースは、アメリカのブッシュ大統領とパキスタンのムシャラフ大統領の人形を燃やすなどして激しい抗議をするデモの様子が映し出されていました。

 その画面にギョッとさせられる光景を見ました。
 「JAPAN KOIZUMI DOG」と書かれたプラカードを手にした男性の姿が一瞬ですがアップにされたのです。

 見た方もいると思いますが、これは衝撃でした。

 これまでにも書きましたが、私は1年前にパキスタンの北部辺境地区を旅しました。ペシャワールにも2泊し、地元の人々とも少しばかりですが接する機会が得られました。

 「日本人は礼儀正しくて勤勉だ。みんな尊敬している。日本は平和な国だ」などと、敬意を表して親切にしてくれました。

 その人たちが、わが小泉首相をもののしり始めたのです。

 アメリカのテロ報復を全面支援すると国際公約した日本の行動が、この人たちには「日本はアメリカの属国、手下に成り下がった」との思いがあるのではないでしょうか。

 親愛から憎悪へ。もしそうなら悲しいことです。

 ペシャワール近郊に住む人の多くは、アフガニスタンに多いパシュトゥン人と同族です。
 
 抗議は大国によって兄弟が殺戮されていると、感じてのことなのでしょう。

 イスラム教徒はなぜ、こうもアメリカを憎むのでしょう。

 イラン、リビア、シリアなどを旅して、その理由がおぼろげながらわかって来ました。

 こと、ここに至ってはアメリカも後へは引けないでしょうが、「イスラム教対欧米」の宗教戦争にだけは拡大してほしくありません。そうなれば、収拾のつかない第3次世界
大戦にもなりかねません。

 そのような危機的状況になる前に、早く幕引きをして国連主導の対話の解決へと向かってほしいものです。

 親愛なるペシャワールの人々の憎悪が本物にならないうちに…と願っています。

 1日休んだ空爆が再開されたとのニュースが流れています。

 憎しみが憎しみを呼ぶ報復合戦。悲しいことですね。