◆東アナトリアへ物見遊山

 トルコの東部地域を巡るツアーに出かけます。

 次回の旅行をウズベキスタンに決めて準備していたのですが、旅行会社の都合でキャンセルし、行き先を東トルコへ向けたものです。

 正直を申せば、東トルコに関する予備知識はほとんどありませんでした。

 強いて挙げれば、山頂に墳墓があるネムルート山、ノアの方舟が漂着したといわれるアララット山、予言者アブラハム(イブラハム)がカナン(イスラエル)の地へ向かう途中に滞在したハランについて、おぼろげながらの知識があった程度です。

 そんなことより、私を惹きつけたのは「チグリス、ユーフラテス」です。

 高校時代、世界史の時間に教師が、まるで呪文を唱えるように繰り返していた「チグリス、ユーフラテス」が50年経った今でも脳裏にこびりついています。

 ユーフラテス川はシリアを旅したときに水をすくって「ああ、これがユーフラテスか」と感激しました。

 今度はチグリス川です。イラクへの旅行が禁止されている現在、近くに眺められるのは、ディアルバクルという町の城壁からと、その周辺地域でだけといわれます。

 「機会があれば、ぜひ眺めてみたい」。心の隅に引っかかっていたことですですが、ひょんな巡り合わせから思いのほか早く実現します。

 チグリス川の他に今回最も期待しているのは、ネムルート山の古代墳墓です。

 アナトリア高原を縦断する形で横たわるアンティ・トロス山脈。そこに標高2150mのネムルート山があります。

 その頂上にさらに50mの小山を築いて王様の墳墓を設けた国があります。

 紀元前3世紀に興ったとされるコンマゲネ王朝。後の紀元前69年に王位についたアンティオコス1世が設けたものです。

 墳墓の上に置かれていた本人やギリシャ神話の神々の頭頂部彫像は、地震などで墓の下に転げ落ちているそうですが、日の出には墳墓全体を朝日が照らし、荘厳な感じになるといわれています。

 期待は募るばかりです。

 今回の旅は「遺跡巡り」が主体です。旧約聖書の舞台もあれば、マイナーな遺跡もあります。

 気まぐれの物見遊山ですが、遺跡の数々が何を語りかけてくれるか、出発を前に胸を高鳴らせています。