◆ウソの花咲く春だから

 百花繚乱、春よ春なのに、気分は鈍(にび)色の冬景色のままです。
 悪性の風邪やらなにやらで体調が思わしくなかったこともありますが、原因は他にもありました。

 それはウソの花の毒素によるものです。国会や自民党を中心とする永田町、霞ヶ関辺りに満開のウソの花やウスモドキの花の毒素が新聞やテレビのニュースとして伝播され、そのために気分が害されているというわけです。

 鈴木宗男vs田中真紀子のNGOを巡る「言った」、「言わない」で開花したウソやウソモドキの花は、外務省を巻き込んで根を広げ、ムネオハウス問題、事務所責任者の不祥事に関わる加藤紘一の責任問題へと範囲を広げました。

 勢いを増すばかりのウソとウソモドキの花は、野党の庭にまで種を飛ばして大きな花を咲かせてしまいました。

 社民党・辻元清美の政策秘書疑惑に対するウソの花は、国民に強烈な毒素を与える結果になりました。

 NGO組織のピースボートを主宰し、市民派の代議士としてなって2期目。最近の活躍ぶりはすさまじいものがありました。

 当代随一の人気者、小泉純一郎にも臆することなく「総理、総理、総理」を連発して迫ったり、鈴木宗男の証人喚問では大阪弁を駆使して「ウソつき」とののしったり、舌鋒はますます鋭さを増して、一躍マスコミ界でもてはやされる寵児になりました。

 歯に衣着せない疑惑追及ぶりに喝采を送り、政界浄化の担い手として大きな期待が寄せられていました。
 人々は当然、彼女を権力や金に淀んだ古い体質の政治家とは一線を画する清廉潔白の主として信頼もしていたはずです。

 何言おう、この私もその1人でした。追求の手法に乱暴さが見られ、言葉遣いにも品を欠くところはありましたが、政党の枠を越えた政界浄化の1点だけで彼女に期待を寄せていました。

 それがこともあろうに、金にまつわる疑惑浮上です。しかも、記者会見で週刊誌記事を真っ向から否定していながら、数日後には記事を認めて言い訳やら詭弁を弄する醜態を演じてしまいました。

 政策秘書制度には見直さなければならない欠陥もあるようですが、それは疑惑逃れの理由になりません。ワークシェアリングなど、とんちんかんな言い訳も惨めです。

 「私的に流用したのではない」という弁解も免罪符にはなり得ません。
 立法府にあって重責を担う国会議員です。いささかも法に触れることがあってはならないのです。

 決定的なのはウソをついたという事実です。後で、どのように弁解してもこの事実を覆い隠すことはできません。
 
 鈴木宗男を国会で「嘘つき」呼ばわりして喝采を浴びた身です。その喝采を裏切ったわけですから、出処進退は自ずと判断されるべきです。

 「同じことをしている人がいるのに、私だけが…」などという悔しさがあって、進退を逡巡しているとしたらお門違いも甚だしいと言わざるを得ません。

 このような事態になっても、彼女の行動力を惜しむ人は多いはずです。鋭い舌鋒と同じように、いまは潔さを示すときです。 まだ若いのですから、これからの行動次第では捲土重来のチャンスは必ずあるはずです。

 この雑文を書いている25日午後2時現在、彼女の去就ははっきりしていませんが、私も潔さを求める1人です。

 ウソやウソモドキの花に毒された鈍色の春。いつになったら明るさを取り戻すのでしょうか。

 このページに政治向きの話しは書かないようにしているのですが、鬱々とした気分を吹き飛ばしたくて雑文にしました。なお、文中は敬称を略しました。

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 彼女は25日夕、辞表を提出し、記者会見で疑惑のあらましや胸中を述べました。随所に悔しさがにじむ内容でしたが、明らかにされない部分も多かったように思います。

 でも、一区切りついたことは確かです。いずれは真相が証されるだろうと期待し、今後の活躍を見守ることにします。

 一方で「邪魔者は消せ」の目的を果たしてにんまりとしているワルもいるはずです。すでにウソやウソモドキの花を咲かす大株に肥料を施そうという動きさえ見られます。 

 政界浄化。私たちはこれからの政界にもっともっと関心を寄せる必要があると思います。