●真珠湾奇襲とカミカゼ!?

 トルコは黒海沿岸のトラブゾンと首都・イスタンブール。アメリカの同時多発テロ報道の「カミカゼ」に驚かされた話しです。

 摩天楼にハイジャック機が突っ込むという前代未聞の大惨事のニュースに接したのはトラブゾンででした。観光からホテルに戻ると、人々は「カミカゼ」と大騒ぎしていました。
 翌日、翌々日、イスタンブールで目にした新聞には「Pearl Haebor」の見出しが踊り、関連記事には「KAMIKAZE」のワッペンがべたべたと貼りつけられていました。

 貿易ビルを照準にしたテロ側の奇襲を真珠湾攻撃の再現と比喩し、飛行機で自爆する行為を「カミカゼ特攻隊」になぞらえたつもりなのでしょう。
 子供たちまでがわれわれを見て「カミカゼ」、「カミカゼ」とはやしています。当然、気分は良くありません。

 「特攻隊はハイジャックなんかしていないし、無差別攻撃なんかもしなかったぞ」と憤ってみたところで、ごまめの歯ぎしり同然です。 「トルコ人は英霊を冒涜する気か」。そんな声も聞こえてきそうです。釈然としない気持ちで帰国しました。

 自宅のテレビ画面にまた驚きました。アフガニスタンの聖職者の1人がテロを「あれはカミカゼだ」と発言していたのです。「またや」。そう思いながらも時間の経過と共に1歩引いて考える心の余裕ができました。
 「現地の人は現象面の一部だけをとらえて比喩したり、なぞったりしているだけなのだ」と。 いわば、「真珠湾奇襲的」とか「カミカゼ的」な行為であったと、言いたかっただけなのではないでしょうか。

 歴史というのは、いかようにも解釈され、そして時には揶揄されたり、冷やかしの材料にされたりするものです。
 「現地の人を責めるわけにはいかないだろう」。最近はそう思えるようになりました。

     (2001年9月のことでした)

◆お断り=「気まぐれ雑記」と重複する部分があります。