●ポリス・コントロールの話

 アフガニスタンやイラクと国境を接するイラン。ポリス・コントロールという「制度」に行く手を阻まれ、国の置かれた事情をちょっぴりながら理解できた話です。

 イランの旅行記などを掲載したホームページを訪問すると、ときどき検問でストップさせれれた、などという話を目にします。私たちも再三再四、バススットップを命じられて予定が大幅に狂うことがありました。

 これらのバススットップを総称して、ガイドは「ポリス・コントロール」と言っていました。
 発車したらすぐに、10分も走らないのにまた…。そんな状態を繰り返しているうち「ひと口にバスストップといっても実は4種類ある」ことがわかってきました。

 @主要都市に出入りするための手続き、A運転手を対象にした検査、B麻薬取り締まり、C今年3月から始まった観光客保護のための観光ポリス制度、です。

 まず、@の主要都市に出入りするための手続き似ついてです。
 観光バスと長距離路線バスは、バスターミナルで乗客全員の名簿を提出して町に入るための登録と許可を得ます。

 町を出る場合は滞在中に何事もなかったことを報告して許可書をもらいます。ですから、発車して5分後、10分後に再びバスストップがあっても当たり前のことなのです。
 
 長距離バスの場合は、乗客がチケットを買うと氏名を確認し、座席をチェックします。「国内を移動するだけなのに面倒なこと。まるで外国へ出かけるみたい」。何度そのようにそう思ったかしれません。

 @は不法入国者を防ぐ水際作戦であると同時に、テロなどの不慮の事件に遭遇した場合の身元確認にも役立てようというシステムなのだそうです。

 近隣には政情不安な国もあれば、テロも頻発しています。不法入国に神経をとがらせるのは、自国を守る当然の行為です。説明を聞いているうちに、イランが置かれている厳しい環境を知らされて納得できました。 

 次にAのドライバーを対象にした検査についてです。
 ドライバー君が時々バスを止め、分厚い大判の手帳を持って事務所へ出向きます。これはタコメーター検査です。身分証明書を提示させて運転歴を確認、タコメーターの記録盤から制限速度は遵守されているか、 過重労働になっていないかなどを調べるものです。

 観光バスと長距離バスの運転手に義務づけられた検査です。この検査が怖いから制限速度を守る。だらか時に苛立つほどのノロノロ運転になる、という理屈です。
 「これも乗客を保護するためのシステム 」と聞かされては、「はい、そうですか」と納得するしかありません。

 Bの麻薬取り締まりは、近隣諸国からの持ち込みを警戒するものです。
 お巡りさんがバスに乗り込んでくることもあります。が、日本人は絶大な信頼があますから、ほとんどの場合は5分ほどの停車で「OK」が出ます。

 Cの観光ポリスは観光客の保護が目的だそうです。
 もし、不慮の事故に遭った場合には即座に対応してくれるシステムと聞きました。バスを止めるのは,いまのところ「問題のある、なしを確認する程度」とのことです。

 バスストップが多いのは@とAです。納得をしているつもりでも予定が狂うのは痛いことです。イランを旅行される方は、このことを念頭に置かれて旅程を組み立てられることをお勧めします。

          (2001年4月のことでした)