●ご用心!カブト虫タクシー

 人口2000万人といわれるメキシコの首都はメキシコシティ。市民の足となっているタクシーの話です。

 市内の通りで目立つのが、渋滞をかわしながら走る白と緑のツートンカラー。フォルクスワーゲンのカブト虫タクシーです。乗客3人乗りの小型車で市民にとっては便利な足ですが、ワーゲンタクシーの半分は強盗タクシーともいわれる怖い存在でもあります。

 悪質なタクシーに乗り合わせたが最後、とんでもないところに連れて行かれてとことん奪われてしまう、という話しを聞きます。
 最近は手持ちの現金やカメラ、パスポートばかりでなく、クレジットカードを奪われ、ATMで現金化されるケースが急増しているそうです。日本人観光客の被害も増えているという話でした。

 1日の引き出し額が決まっている場合は、限度額に達するまで何日でも監禁して奪い尽くすという最悪の手口もあるというから、油断はなりません。

 「タクシーを利用する場合はシティオが比較的安全です」と言われました。シティオ?。ホテルや決まった乗り場に待機しているタクシーのことだそうです。ナンバーの頭が「S」なので、それを目印にすればよいとのことです。

 危険なのは「リレブ」と呼ぶ流しのタクシーなのだそうです。親分に雇われた若いドライバーが多く、荒っぽい手口が特徴とのこと。「ナンバーが『L』で始まるタクシーには心すべし」。これは現地の人の忠告です。

 だからといって、シティオが絶対安心かというと、そうでもないらしいのです。リレブが乗り場に紛れ込んだり、偽のSナンバーを付けている場合があるからです。
 一番安心なのは、ホテルのフロントから呼んでもらうことだと言われました。

 ちなみに自動車の免許証は16歳から試験らしい試験もなくて簡単に取得できますが、タクシードライバーとなれば別です。かなり厳しい検査があるというのです。

 それでも強盗タクシーが増えるのは、行きずりの旅行者から手っ取り早く稼げるからなのでしょう。先を急ぐ観光客たちは、少々のことなら被害届を出さずに、次の目的地へと去っていきます。

 彼らにはそれがねらい目でもあるのです。どうしてもという場合は仕方ありませんが、事情の知らない地域では「君子危うきに近寄らず」が一番賢明なようです。

           (2002年2月のことでした)