●心揺するフォルクローレ

 ペルーはコンドル舞うアンデスの国。心揺さぶられた民族音楽、フォルクローレのあれこれです。

 フォルクローレといえば、ケーナがむせび、サンポウニャが多色の音階を奏でて、聴く人をアンデスへと誘(いざな)ってくれる魂の音楽です。
 ペルーを旅していると、昼食といわず、夕食といわず、2人から6、7人のグループの演奏を聴くことになります。

 基本的な楽器は縦笛のケーナ、長短の竹筒を数本組み合わせたサンポーニャ、土鈴のオカリナ、ウクレレのようなチャランゴ、 ギターのようなバンドゥリア。
 さらに横笛のラウタトラベルサ、鼓のようなボンゴ、ハープのようなアープ、平たい太鼓のワンカラなどです。

 奏者は1人で何役もこなします。ケーナを吹いていたかと思えば、チャランゴを手に。サンポーニャは種類が多く、大きいの、小さいの、と巧みに使い分けます。

 お客が日本人の場合、必ず登場するのが「花祭り」と「コンドルは飛んで行く」です。聴衆の方もこれを聴かなければ、おさまらないようです。
 旅行記でも触れましたが、誰もが承知の名曲だけに奏者も気を遣うようで、どのグループもアレンジを競っている風です。

 しかし、中にはコンドルが舞い落ちてくるのでは、と心配になるような超スローな編曲や、やたらに楽器を多用してうるさいだけという編曲もあります。もちろん好みの問題ですが。

 「コンドル…」を聴けば、アンデスの山並みに雄姿が舞う場面をイメージするのですが、今回、そんな気分にさせてもらったのは1度だけです。どうもスパイス(編曲)の効き過ぎ、という感じがしました。

 「原曲のコンドル」が聴きたい!。何度か心の中で叫びました。
 と、おこがましいことを述べましたが、魂の民族音楽、フォルクローレには心を揺さぶられます。大半は初めて聞く曲ですが、目を閉じると、いつしかアンデスを遊泳しています。

 演奏の後は決まって吹き込んだCDの販売です。初めは先を争うように手を出していた女性たちにも次第に買い疲れ感が見えてきました。

 フォルクローレも最近は電子ピアノなどを加えたり、ロックと融合させたり、フュージョンの要素が強くなりつつあるそうです。

 でも、私はケーナーとサンポーニャを主にした古典的なメロディーに惹かれます。現地で購入したお気に入りのCDは2人だけの演奏です。
 いまでもちょくちょく聴いています。アンデスの青空に思いをはせながら…。

           (2002年6月のことでした)