●なぜ美味いチェコ・ビール

 紀元前から醸造が行われている「ビール王国」のチェコ。ビール好きを唸らせる美味さの秘密とは?、そんな話です。

 「世界のビール王国」と言えば、日本人が真っ先に連想するのはドイツではないでしょうか。
 テレビの旅番組などでミュンヘンのビヤホール風景が放映されたりしますので、どうしても「ビールならドイツ」ということになるのでしょうが、どっこいチェコも頑張っていました。

 チェコ・ビールの本拠地は西ボヘミアのブルゼニュの町です。そこには世界的に有名なピルスナー・ビールの大きな醸造所があります。
 ホップの香りが強いのが特徴で、1842年に発売され、あっという間に人気銘柄になったといわれます。
 
 もう一つ、南ボヘミアのチェスケ・ブデヨヴィツェで生産されるブドヴァルという、やや甘みがあるビールがあります。これはアメリカ・ビールの代表格、バドワイザーの元祖なのです。
 
 しかし、有名銘柄に負けていないのが地ビールです。
 どこのレストランでも「まず、ビール」の毎日でしたが、ビール好きには「好評」の連続でした。中には「チェコに居座って、ビールにおぼれたい」などという人もいたほどです。

 人々を魅了して止まないチェコ・ビールの神髄は、チェコの土壌が生み出す良品質の大麦とホップ、それに豊かな水にあり、ということのようです。
 加えて伝統に培われた独特のポップ処理の方法。様々な要素が加わって芳醇な香りを醸す黄金色のチェコ・ビールが生まれるのです。

 チェコ・ビールの歴史は古く、紀元前3世紀にはブルゼニュ地方で自生していた大麦を使って造られたそうです。
 「まろやかだがコクがある」、「ホップの香りがたまらんね」。連発される好評の根元は紀元前に遡る「伝統の味」なのです。

 ところで、チェコの国民ビール消費量はどのくらいなのでしょう。1人当たりの年間消費量は166リットルといいます。

 町のいたるところにビアホールやカフェ、ホスポダ呼ばれる居酒屋があり、コーヒータイムならぬ、ビールタイムを楽しんでします。
 水よりも安いし、しかも美味いのだから、のどを潤すにはかっこうのドリンクです。

 アルコール弱者にとっては悔しい思いをしましたが、下戸は下戸なりに美味しいビールの味をちょっぴりわかった旅でもありました。

 戻ってから1ヶ月が過ぎました。「あの味を、もう1度のどに流し込んでみたい」。そんな思いがする下戸の今日、このごろです。

           (2001年6月のことでした)